○尾白利加ダム管理規則

平成8年9月27日

規則第10号

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規則は、国営尾白利加地区土地改良事業によつて造成された土地改良施設の管理方法書第1章第5条並びに尾白利加ダム管理条例第2条及び第7条に基づき、尾白利加ダム(管理事務所、電気施設、通信施設、その他の付帯施設を含む。以下同じ。)の維持、操作その他の管理について、必要な事項を定めるものとする。

(管理者の業務)

第2条 ダム管理責任者(以下「管理者」という。)は、この規則の定めるところにより、ダムを管理するものとする。

(異例の処置)

第3条 管理者は、この規則に定めない事項を処理しようとするときは、あらかじめ雨竜町長(以下「町長」という。)の承認を得なければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を要するものについては、この限りでない。

2 前項ただし書の場合は、事後すみやかに町長に報告するとともにその後の措置についての指示を受けなければならない。

第2章 貯水、取水または放流に関する事項

第1節 ダムの水位および貯水

(満水位)

第4条 ダムの満水位は標高151.50mとし、計画洪水位は、153.02mである。

(低水位)

第5条 ダムの低水位は標高135.39mとし、監査、補修その他特に必要とする場合を除き、水位をこれより低下させてはならない。

(水位の基準)

第6条 ダムの水位は、すべて取水塔に取り付けられた水位計の示度によるものとする。

(貯水)

第7条 管理者は、かんがい用水等を確保するため、毎年4月20日までにダムの貯水を満水位(標高151.50m)にするものとする。

(かんがい用水のための利用)

第8条 かんがい用水のための利用は、標高151.50mから標高135.39mまでの容量、最大10,126.000m3を利用して行うものとする。

第2節 取水

(かんがい期間)

第9条 毎年4月20日から9月10日までをかんがい期間とする。

(かんがい用水の取水)

第10条 管理者は、かんがい期間において、気象、水象およびかんがいの状況を考慮して受益地の必要な水量をダムから取水及び放流しなければならない。

2 管理者は、かんがい期間において異常渇水等によつて必要な水量を取水することが困難な場合には、町長に報告し、その指示を受けて適切な措置をとらなければならない。

(計画取水量)

第11条 かんがい用水のためのダムからの最大取水量等は、次の表のとおりとする。

期間

区分

4月20日から5月19日まで

(m3/s)

5月20日から6月10日まで

(m3/s)

6月11日から6月24日まで

(m3/s)

6月25日から8月15日まで

(m3/s)

8月16日から9月10日まで

(m3/s)

本取水口兼注水用取水口

尾白利加ダム

2.490

6.801

5.545

5.188

1.914

内訳

本取水用

2.490

2.490

2.490

1.914

1.914

注水用

4.311

3.055

3.274

本取水口

雨竜頭首工取水口

5.331

4.100

4.100

第3節 放流

(放流の制限)

第12条 ダムに貯留された水は、次の各号の一に該当する場合に限り放流(取水のための放流を除く。)するものとする。

(1) 水位が満水位をこえるとき。

(2) 第17条の規定により点検整備を行う必要があるとき。

(3) その他特に止むを得ない理由により必要があるとき。

(放流量)

第13条 ダムから放流を行う場合の放流量は毎秒6.801立方メートルをこえてはならない。

2 洪水とは、ダムへの流入量の最大が毎秒524立方メートルをこえる出水をいう。

(放流の通知)

第14条 管理者は、ダムから放流することによつて下流の水位に著しい変動を生じると認めるときは、これによつて生ずる危害を防止するため北海道知事、雨竜町長、新十津川町長、深川警察署長、滝川警察署長、北海道開発局長、雨竜土地改良区理事長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。

第3章 バルブ並びにゲートの操作

(取水塔バルブの操作)

第15条 取水塔バルブは、取水の必要に応じて開扉するものとし、常に貯水位から16.11メートル以内の水深にある水を取水するように操作するものとする。

2 第17条の規定による取水塔バルブの点検整備は、かんがい期間以外の期間に行うものとする。

(土砂吐ゲートの操作)

第16条 土砂吐ゲートは、常に閉塞しておくものとし、次の各号の一に該当する場合には、これを操作するものとする。

(1) 堤体等を監査しまたは補修するため、貯水位を低下させる必要があるとき。

(2) 滞積土砂の掃流を行うとき。

(3) 第17条の規定により土砂吐ゲートの点検整備を行うとき。

(4) その他止むを得ない理由により、貯水位を低下させる必要があるとき。

第4章 点検及び整備に関する事項

(点検および整備)

第17条 管理者は、バルブ、ゲートを操作するために必要な機械および器具、警報、通信連絡および観測のために必要な設備、管理のために必要な船、および車両ならびにこれらの操作のために必要な資材を常に良好な状態に保つための点検および整備を行い、特にゲートおよび予備電源設備については、適時試運転を行わなければならない。

(ダムおよびその周辺の監視)

第18条 管理者は、ダムおよびその周辺について常に監視を行い、その維持および保全に支障を及ぼす行為の取り締まりならびに危険防止に努めなければならない。

第5章 緊急事態における措置に関する事項

第1節 洪水

(洪水警戒体制)

第19条 管理者は、次の各号の一に該当する場合においては、洪水警戒体制をとらなければならない。

(1) 空知地方中空知を対象として大雨警報が発せられたとき。

(2) その他洪水が予想されるとき。

(洪水警戒体制時における措置)

第20条 管理者は、前条の規定により洪水警戒体制をとつたときは、職員を呼集してそれぞれ担当部署に配置し、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。

(1) 関係の気象台、市町村、土地改良区その他の機関との連絡ならびに気象、水象に関する観測および情報の収集を密接に行うこと。

(2) 最大流入量、洪水総量、洪水継続時間および流入量の時期的変化を予測すること。

(3) バルブならびにゲートの操作に必要な機械および器具の点検、整備、予備電源設備の試運転その他ダムの操作に関し必要な措置をとること。

(洪水警戒体制の解除)

第21条 管理者は、気象および水象の状況により洪水警戒の必要がなくなつたと認めたときは、堤体等の異状の有無を点検し、異状を認めたときはすみやかに必要な措置をとり、その後に洪水警戒体制を解除するものとする。

第2節 かんばつ

(かんばつ時における措置)

第22条 管理者は、ダムの貯水状況および長期にわたる降雨量の予報等を勘案して、かんばつのおそれがあると認めたときは、原則としてダムからの放流を停止し、町長および雨竜土地改良区理事長等の意見を聞いて、取水に関する節水計画をたて、これにより取水を行い、著しい用水不足を生じないよう努めなければならない。

第6章 観測および調査に関する事項

(気象および水象の観測)

第23条 管理者は、気象および水象について、次に掲げる事項を定期的に観測しなければならない。

(1) 気象関係

天候、気温、降雨量

(2) 水象関係

貯水位、流入量、放流量、取水量、注水量、越流量

(ダムの滞砂状況の調査)

第24条 管理者は、毎年低水位時に1回または洪水の直後で必要があると認めたときはダムの滞砂状況を調査しなければならない。

(堤体の調査)

第25条 管理者は、堤体に設置された測定機器により、堤体の変形(沈下、移動量)、漏水等について調査または観測を行わなければならない。

(管理日誌)

第26条 管理者は、ダム管理日誌を備え、次の各号に掲げる事項について記録しなければならない。

(1) 前3条の規定による調査または観測の結果

(2) ダムの状況および点検整備に関する事項

(3) 緊急時における措置に関する事項

(4) ゲートの操作を行つたときは、操作の理由、操作の時刻、開度、取水量または放流量

(5) その他ダムの管理に関する事項

2 管理者は、毎月10日までに前月分の管理日誌を取りまとめ、町長に提出し、その内容を報告しなければならない。

この規則は、土地改良財産(尾白利加ダム)管理委託協定の締結日から施行する。

尾白利加ダム管理規則

平成8年9月27日 規則第10号

(平成8年9月27日施行)