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平成28年度教育行政執行方針について

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はじめに

糸谷尚徳教育長の写真平成28年雨竜町議会第1回定例会にあたり、教育行政の執行に関する主要な方針について申し上げます。

今日、急激な少子高齢化の進行、国際化社会への移行、生活環境や様式の変化、情報技術のめざましい発展など日本社会が大きく、そして激しく変化するなか、教育を取り巻く環境も大きな変革の時代を迎えております。

昨年4月に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が改正され、それに伴い本町において、教育行政推進に資するため「雨竜町総合教育会議」を昨年10月に設置、さらに町の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策である「雨竜町教育大綱」を策定したところであります。

現在、学校教育においては、学力・学習意欲、体力・運動能力や規範意識・倫理観の低下など様々な課題が指摘されており、特に学力と運動能力の向上が喫緊の課題となっています。

こうしたことから、本町においては、子ども一人ひとりに夢や希望など、目的意識を持たせ、基礎学力を身につけさせるとともに、思いやりの心を持ち、健康でたくましく生き抜いていく力を身につけた子どもを育ててまいります。

さらに、義務教育9年間を見通し、地域の特性を活かした教育課程を編成し、小・中学校と家庭・地域・行政が一体となって連携を深め、協働体制を強化し、教育環境・教育内容の充実に努めてまいります。

社会教育においては、町民が生涯にわたり心身ともに健康で豊かな生活が送れるよう、生涯学習のさらなる充実が重要だと考えます。このため、文化やスポーツの振興を通じ、地域ぐるみで「いつでも・どこでも・だれでも」そして「みんないきいき・のびのび」と学習活動に参加できるよう「第5次雨竜町社会教育中期計画」に基づき社会教育を推進してまいります。

以下、具体的項目について申し上げます。

1.学校教育

学校経営

小・中学校が連携し、義務教育9年間を見通すなかで、児童・生徒一人ひとりが「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」をしっかりと身につけ、「知・徳・体のバランスのとれた子どもを育む」とともに、生涯にわたり学び続け、変化の激しい時代をたくましく生きていく力を育成することが学校教育の果たすべき重要な役割だと考えます。

「児童・生徒、教職員、保護者、地域が誇りをもてる、活力ある学校づくり」を進めるため、校長の力強いリーダーシップのもと、教育目標の実現に向け、教職員が一丸となって日々の実践に全力を挙げ、教育の質的向上を図るとともに小中併設校の環境の利点を活かし、さらなる小・中学校の連携強化を目指します。

また、小・中学校連携会議においては、課題解決のためにも、継続して連携の在り方等について検討・協議し、今後の教育活動の充実を図ってまいります。

小中一貫教育の導入についての議論をより深めていくために、教育委員等関係者による道内先進地視察研修を予定しております。

教育課程

雨竜の地域性を生かし、義務教育9年間を見通した特色ある学校づくりに向け、小・中学校が連携しながら教育課程を改善していくことが重要です。児童生徒の学力・体力の向上、豊かな心の育成を目指し、学習指導要領の基準に基づき、教育課程を適切に編成・実施し、指導と評価の一体化を図り教育活動の充実に努めてまいります。

学習指導

全国学力・学習状況調査等の結果分析を基に、各学校で作成した「基礎学力向上プラン」により、確かな学力の向上を目指し、小学校の授業に中学校の教師が入る「乗り入れ授業」を行い、創意工夫を活かした授業の展開に努めてまいります。

なお、本年度は定数加配措置に伴う教員1名が小学校に措置されることとなっており、これらを活かし、さらに工夫をした授業に取り組んでまいります。

道徳教育

「豊かな心」「思いやりのある心」を育む道徳教育は、小中併設校の強みを活かし、クリーン作戦等の小中合同行事や連携事業を通し、児童・生徒の発達段階に応じ教育活動全体での取り組みを一層充実してまいります。

また、道徳教育推進教師が中心となり、「私たちの道徳」を年間指導計画に位置付け、家庭との連携を図りながら効果的な活用を進めるとともに、体験的な学習の推進や、心に響く「道徳の時間」の充実に努め、児童・生徒の道徳的実践意欲と態度を育んでまいります。

特別活動

特別活動では、各種学校行事・生徒会活動・部活動などの集団活動を通じて、心身の調和の取れた発達と個性の伸長を図ることが求められています。

児童・生徒一人ひとりが集団の一員として、望ましい人間関係を確立し、連帯感や達成感を養うことが大切であり、今後とも児童・生徒の変容が実感できる特別活動の実践に取り組んでまいります。

なお、これまで2年間小中合同で開催していた運動会については、保護者アンケートを基に小・中学校連携会議での議論を経て、本年につきましては、小・中学校それぞれで単独開催することとしております。

総合的な学習の時間

現代社会において、児童・生徒が主体的に課題を発見し、課題解決を図る能力や思考力・判断力・表現力等の資質の向上が求められています。

横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、問題の解決や探求活動に主体的、創造的、協働的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えられる学習の展開に努めてまいります。

生徒指導

いじめや不登校は、「どの学校でも、どの子にも起こり得る」問題であることを十分認識し、全教職員の共通認識のもと、「命の大切さ」や「いじめを許さない心」などの生徒指導・学習指導を徹底することが、極めて重要であります。

このため、「雨竜町いじめ防止基本方針」や各学校におけるいじめ防止基本方針に基づき、実態把握、対応状況について組織的・計画的に取り組むことにより、未然防止、早期発見・早期対応を図り、いじめ問題への取り組みを充実してまいります。

また、小・中学校が連携し、自己肯定感を高め好ましい人間関係を育むピア・サポートプログラムを教育課程に位置づけ、活用を図ってまいります。いじめ防止対策に向けた取組みや集会等を小中合同で実施し、北海道教育委員会が主催するセミナーや集会に児童・生徒や保護者等を派遣するなど、学校、家庭、地域、教育委員会が連携して、積極的な生徒指導に取り組んでまいります。

さらに、教育相談機能の充実に資するよう、スクールカウンセラーの派遣等を今年度も継続するよう要請してまいります。

健康・安全指導

児童・生徒が健やかに成長するためには、安全の確保や心身の健康が極めて大切であります。

このため、自主的・積極的に体力・健康の増進に努め、家庭や地域との連携を図りながら、健康安全意識の向上と日常生活での習慣化を図るように努めてまいります。

小学校においては、虫歯予防対策としてのフッ化物洗口を継続実施するとともに、小・中学校が連携し、火災や地震、不審者等の対策として、避難訓練や集団下校訓練、また、薬物乱用防止教室を関係機関と連携を図り小中合同で実施いたします。

また、小中併設校の特色を活かした独自の危機管理マニュアルを作成し、児童生徒の安全確保を優先的かつ機能的に行う教職員の意識の徹底を図ってまいります。

特別支援教育

障がいのある児童・生徒の自立や、社会参加に向け、個別の教育支援計画及び個別の指導計画の作成をさらに推進させ、一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育を推進してまいります。

また、教育、医療、保健、福祉、労働等の連携を通じて、一貫した支援体制の充実のため適切な指導や支援をしてまいります。

教育環境

新十津川町との学校給食共同実施が昨年4月よりスタートしました。安心・安全な給食の提供を含め、食育の大切さ、食物アレルギーをもつ児童・生徒の情報共有化と適切な対応に向けた研修等をおこなってまいります。

また、中学3年生と小学6年生を対象とした「バイキング給食」を実施し、卒業する子どもたちの思い出づくりに寄与したいと考えます。

さらに、子育て支援策の一環として学校給食費の助成と、新たに修学旅行費助成事業に取り組むことで子育て家庭への支援をおこなってまいります。

今年度のカナダトロント市国語教室との交流については、トロント市からの児童を本町に受入し、より交流を深めることといたします。

2. 社会教育

幼児・青少年教育

次代を担う子どもたちの健全育成を図ることが重要です。

乳幼児を対象とした「ブックスタート事業」や高等養護学校の協力による1歳6か月の乳児を対象とした「ウッドスタート事業」を本年も継続して実施いたします。

また、幼児を対象とした「うりゅうキッズクラブ」小学生やその保護者を対象とした「ちびっこチャレンジ教室」や町子ども会育成連事業である「こどもまつり」「冬季レク大会」への支援、そして、小・中学生を対象に「地域リーダー養成事業」を継続して実施し、親子がふれあう機会や体験活動機会の提供等交流の場を設定してまいります。

加えて、幼児を対象とする「芸術鑑賞事業」や小・中学生を対象とした「芸術文化鑑賞会」を実施してまいります。

また、家庭学習の定着と学力向上対策として「雨竜町ジュニアスクール」を継続実施してまいります。

成人教育

多様化・高度化する学習ニーズに的確に対応するため、社会教育や社会体育事業の充実を図ることが大切です。

各種団体やサークル活動の育成支援を行うとともに、総合的な体力づくりを推進するための「体幹強化プロジェクト」や「ヘルスアップ教室」に取り組んでまいります。

また、女性に対する学習機会の提供を目的におこなっている「レディーススクール」等の内容充実を図り、多くのかたが興味を持ち参加いただけるよう努めてまいります。

高齢者教育

本町での65歳以上の高齢化率は年々増加の一途であり、今後もその比率が徐々に高まることが予測されます。

高齢者がこれまでの人生で培った豊かな知識と技術を次世代に継承できるような機会を設け、広く交流を推進することが大切です。

本町では、「いきいき学園大学」を開講することで多方面にわたり、高齢者対象の学習活動を展開してまいります。

スポーツ振興

スポーツは、心身両面にわたる健康の維持増進と、明るく豊かな生活を送るためにも大切です。「スポーツフェスティバル」をはじめとした各種スポーツ行事等により、町民のスポーツ・レクリエーションに親しむ機会の提供に努めてまいります。

また、北海道日本ハムファイターズと連携協力し、本年12回目となる「キッズサマーキャンプin雨竜」を開催いたします。

さらに、スポーツ環境整備として町営テニスコートの改修を実施することとし、利用環境の向上を図ってまいります。

芸術文化振興

豊かで潤いのある生活を送るためには、優れた芸術文化に接することが大切です。

「町民文化祭」の開催や芸術文化団体の育成と活動支援を行い、文化活動参加の機会づくりと、交流の場を提供してまいります。

また、郷土の歴史である伝統芸能を次世代に伝承するための活動に対して引き続き支援してまいります。

おわりに

以上、平成28年度の教育行政に関する基本的かつ重点的な事項について申し上げました。

未来ある無限大の可能性を秘めた子どもたちの育成と、町民一人ひとりが豊かな人生を送り、いきいきと活躍する生涯学習社会の構築を目指すため、教育に携わる全ての関係者がそれぞれの果たすべき役割と責務を自覚し、地域に根ざした雨竜町としての教育の推進に最善の努力をしてまいります。

町民の方々をはじめ議会議員各位、そして各関係機関団体のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

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