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平成29年度教育行政執行方針について

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はじめに

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平成29年雨竜町議会第1回定例会にあたり、教育行政の執行に関する主要な方針について申し上げます。

人口減少の急激な進行や高度情報化、グローバル化の進展など、近年、教育を取り巻く環境が大きく変化してきており、未来の創り手となる子どもたちが、社会や世界と向き合いながら自らの人生を切り拓いていくために必要な資質や能力の育成が求められてきております。

そのため、学びの基礎を築く学校教育において、子ども一人ひとりに夢や希望、目的意識を持たせながら、基礎学力を身につけさせるとともに、思いやりの心、健康でたくましく生きる力を身につけた子どもを育てていくことが必要であります。

また、施設一体型小中併設校の環境を活かし、義務教育9年間を一体的に捉え、地域の特性に応じた特色ある教育課程を編成するとともに、ふるさと雨竜への誇りや愛着をもつ子どもたちの育成を目指し、小中学校と家庭・地域・行政が一体となって連携を深め、協働体制を強化し、教育環境・教育内容の充実に努めてまいります。

時代の変化に伴い、人々の価値観や生活スタイルが多様化してきている中で、町民一人ひとりが生涯にわたり心身ともに健康で豊かな生活が送れるよう、生涯学習のさらなる充実が重要だと考えます。このため、文化やスポ-ツの振興を通じ、地域ぐるみで「いつでも・どこでも・だれでも」そして「みんないきいき・のびのび」と学習活動に参加できるよう、「第5次雨竜町社会教育中期計画」に基づき社会教育を推進してまいります。

以下、具体的項目について申し上げます。

1. 学校教育

学校経営

施設一体型小中併設校の環境を活かした小中学校の連携強化により、学びの連続性を保証し、義務教育9年間を修了するにふさわしい15歳の学力・体力・豊かな心を身につけさせ、「心身を鍛え、知を磨き、ふるさと雨竜に誇りを持つ児童生徒」の育成を目指した教育活動を展開することが重要であります。

小中学校が連携し、教育目標の達成に向けて、校長の力強いリーダーシップのもと、教職員が一丸となって日々の実践に全力を挙げ、教育の質的向上を図り、活力ある学校づくりを推進してまいります。

また、小・中学校連携会議においては、効果的な小中連携の在り方やコミュニティ・スクール導入に向けた検討・協議を継続し、教育活動を始めとする学校運営の充実を図ってまいります。

教育課程

雨竜の地域性を活かし、義務教育9年間を見通した特色ある学校づくりに向け、教科等横断的な視点を持ち、家庭・地域と連携・協働しながら「カリキュラム・マネジメント」を推進することが重要です。社会の変化を的確に捉え、社会的意識や積極性を持った児童生徒を育成するとともに、地域コミュニティの創出を図る「ふるさとキャリア教育」を積極的に展開するなど、学習指導要領に基づき、地域と目標やビジョンを共有しながら、「社会に開かれた教育課程」の実現を目指してまいります。

学習指導

標準学力検査、全国学力・学習状況調査などの結果分析により、各学校で作成した「基礎学力向上プラン」に基づく取り組みや、小中相互乗り入れ授業、小中合同教員研修の実施などにより、「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した授業改善に努めてまいります。また、本年度から新たに小中学校9年間の経年変化を見通した指導の基礎となるデータベースカルテを作成し、小中学校の教職員全体で児童生徒の情報を共有し、個に応じた指導に取り組んでまいります。

また、昨年度に引き続き定数加配措置による教員1名が小学校に措置されることとなっており、これらを活かした指導方法の工夫改善に取り組んでまいります。

道徳教育

自他の違いを認め、共に支え学び合う児童生徒、「命の尊さ」や「思いやり」のある心を持ち、「礼儀正しく行動」できる児童生徒の育成をめざし、学校の教育活動全体を通じての道徳教育を一層充実してまいります。

また、道徳教育推進教師を中心に、全教職員で道徳教育の指導計画や指導方法を工夫・改善しながら、「私たちの道徳」や「副読本」等を積極的に活用した「道徳の時間」の授業改善に取り組み、授業参観日等を活用しながら、保護者や地域に公開してまいります。

また、平成30年度からの「特別の教科 道徳」の実施に向け「考え、議論する」道徳科への移行を進めてまいります。

特別活動

特別活動では、学級活動はじめ、生徒・児童会活動、学校行事などの集団活動を通じて、児童生徒の心身の調和の取れた発達と個性の伸長を図ることが重要です。

児童生徒一人ひとりが望ましい集団活動を通じて、より良い生活や、望ましい人間関係を確立し、連帯感や達成感を養い、小中学校の連携による合同行事なども工夫しながら、児童生徒の成長が実感できる特別活動の実践に取り組んでまいります。

総合的な学習の時間

現代社会においては、児童生徒自らが課題を発見し、その解決に向けて主体的・創造的に取り組む姿勢が求められています。

一人ひとりの社会的・職業的自立に向けて必要となる資質・能力を育てるための職場体験学習を町内関係団体の協力を得ながら進めるとともに、横断的・総合的な学習や探究的な学習から、問題の解決に主体的、創造的、協働的に取り組む態度を育て、地域の教育力を生かした様々な体験活動を通して自己の生き方を考えることができる学習を展開してまいります。

生徒指導

いじめや不登校は、「どの学校でも、どの子にも起こり得る」問題であることを十分認識し、全教職員の共通認識のもと、「命の大切さ」や「いじめを許さない心」などの生徒指導・学習指導を徹底することが、極めて重要であります。

このため、「雨竜町いじめ防止基本方針」や各学校におけるいじめ防止基本方針に基づく組織的・計画的な対応により、いじめの未然防止、早期発見・早期解決を図る取り組みを充実してまいります。

また、小中学校が連携し、9年間を見通したピア・サポートプログラムの活用を図り、児童生徒の好ましい人間関係を育む取り組みを教育課程に位置付け実践してまいります。いじめ防止対策に向けた取り組みや集会等を小中学校合同で実施するとともに、小中学校在籍時の経年変化を見通した指導の基礎となるデータベースカルテを作成し、教職員全体で情報を共有し、心や体の変化に応じたきめ細やかな指導に努めてまいります。さらに、教育相談機能の充実に資するよう、スクールカウンセラーの派遣を本年度も継続するよう要請してまいります。

健康・安全指導

児童生徒が健やかに成長するためには、安全の確保や心身の健康が極めて大切であります。

このため、自主的・積極的に体力・健康の増進に努める児童生徒を育むため、家庭や地域との連携を図りながら、健康安全意識の向上と日常生活での習慣化を図るように努めてまいります。

小学校においては、虫歯予防対策としてのフッ化物洗口を継続実施するとともに、小中学校が連携し、火災や地震、不審者等の対策として、避難訓練や集団下校訓練、また、薬物乱用防止教室を関係機関と連携を図り小中合同で実施いたします。

また、児童生徒の安全確保を優先かつ機能的に実施するための危機管理マニュアルを作成し、全職員が共通理解し、迅速かつ組織的に対応ができるよう徹底を図ってまいります。

特別支援教育

特別支援教育の充実に向けた校内体制の整備に取り組み、個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し、教職員が共通理解を図りながら、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育を推進してまいります。

また、特別支援教育コーディネーターを中心に、定期的に校内委員会を開催し、情報の共有と適切な指導や支援に努めるとともに、関係機関との連携を強化し、一貫した支援体制の充実に努めてまいります。

教育環境

新十津川町との学校給食共同実施を通じ、安心・安全な給食を提供するとともに、食の指導、食物アレルギーを持つ児童生徒についての情報の共有と研修を行うとともに、「雨竜町学校給食における食物アレルギー対応について」のマニュアルに基づき、適切に対応してまいります。

子育て支援策の一環として学校給食費の助成と、修学旅行費助成を昨年度に引き続き取り組んでまいります。

本年度はカナダトロント市へ児童を派遣し、国語教室の児童生徒たちとの交流を深めることといたします。

また、本年度より、新たにスクールバスの運行を委託することとしておりますが、安心・安全を確保し、円滑な運行に努めてまいります。

2. 社会教育

幼児・青少年教育

次代を担う子どもたちの健全育成を図るため、

乳幼児期における読書活動の推進として、乳幼児を対象とした「ブックスタート事業」や高等養護学校の協力による1歳6か月の幼児を対象とした「ウッドスタート事業」を本年度も継続して実施いたします。

未就学児を対象とした「うりゅうキッズクラブ」や小学生とその保護者を対象とした「ちびっこチャレンジ教室」、町子ども会育成連事業への支援、小・中学生を対象にした「地域リーダー養成事業」を継続して実施いたします。

さらに、「親子芸術鑑賞事業」を開催し、親子がふれあう機会の提供や親同士の交流の場を設定するほか、児童生徒においても「芸術文化鑑賞会」を実施いたします。

また、家庭学習の定着と学力向上対策として「雨竜町ジュニアスクール」を継続実施してまいります。

成人教育

多様化・高度化する学習ニーズを的確に把握し対応するため、各種団体やサークル活動の育成支援を行うとともに、総合的な体力づくりを推進する機会の提供や女性に対する学習機会の場として「レディーススクール」を開催し、多くのかたが興味を持ち参加いただけるよう内容の充実を図ってまいります。

高齢者教育

高齢者がこれまでの人生で培った豊かな知識や経験を次世代に継承できるような機会を設け、広く交流を推進することが大切です。

生涯にわたり学習に取り組む環境づくりとして「いきいき学園大学」を引き続き開催し、学習内容の充実に努めてまいります。

スポーツ振興

「スポーツフェスティバル」をはじめとした各種スポーツ行事等により、町民のスポーツ・レクリエーションに親しむ機会の提供に努めてまいります。

本年13回目となる「キッズサマーキャンプin雨竜」を北海道日本ハムファイターズと連携協力し開催いたします。

また、ファイターズOBによる小学校児童との交流や小中教職員へのベースボール型授業に対応するための指導を行い、教職員の指導力向上に寄与してまいります。

さらに、スポーツ環境整備として町営水泳プールの改修を実施し、利用環境の向上を図ってまいります。

芸術文化振興

豊かで潤いのある生活を送るためには、優れた芸術文化に接することが大切です。

「町民文化祭」の開催や芸術文化団体の育成と活動支援を行い、文化活動参加の機会づくりと、交流の場を提供してまいります。

郷土伝統芸能を本町の歴史的文化として次世代に伝承するため、今後も郷土伝統芸能の活動に対して支援してまいります。

社会体育施設維持管理

社会教育活動を行う上での拠点となる各施設の適切な維持管理に努めてまいります。

本年度は、史跡公園及びメモリアルパークにおいて環境整備を行い、子どもの居場所づくり対策として、メモリアルパークにおいて新たな遊具設置等環境改善に取り組みます。

おわりに

以上、平成29年度の教育行政に関する基本的かつ重点的な事項について申し上げました。

ふるさと雨竜に誇りを持つ無限大の可能性を秘めた未来ある子どもたちの育成と、いきいきと活躍する生涯学習社会の構築を目指すため、教育に携わる全ての関係者がそれぞれの果たすべき役割と責務を自覚し、地域に根ざした雨竜町としての教育の推進に最善の努力をしてまいります。

町民の皆様をはじめ議員各位、そして各関係機関団体のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

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