○尾白利加ダム管理規則

令和6年11月25日

規則第17号

尾白利加ダム管理規則(平成8年9月27日規則第10号)の全部を改正する。

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規則は、尾白利加ダム管理条例(平成8年9月27日付け条例第9号。以下「条例」という。)第2条及び第7条に基づき、尾白利加ダム(以下「ダム」という。)の管理について必要な事項を定めるものとする。

(管理者の業務)

第2条 ダム管理責任者(以下「管理者」という。)は、この規則の定めるところにより、ダムを管理するものとする。

2 管理者は、河川法(昭和39年法律第167号)第50号に規定する資格を有する者でなければならない。

(異例の処置)

第3条 管理者は、この規則に定めない事項を処理しようとするときは、あらかじめ町長の承認を得なければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を要する場合は、この限りでない。

2 前項ただし書の規定により処理を行ったときは、速やかに町長に報告し、その後の措置について指示を受けなければならない。

第2章 貯水、取水又は放流に関する事項

第1節 ダムの水位及び貯水

(常時満水位)

第4条 ダムの常時満水位は標高151.50mとし、ダムの水位(以下「貯水位」という。)をこれより上昇させてはならない。

(最低水位)

第5条 ダムの最低水位は標高135.39mとし、点検、補修その他特に必要とする場合を除き、貯水位をこれより低下させてはならない。

(貯水位の基準)

第6条 貯水位は、取水塔に取り付けられた水位計の示度によるものとする。

(流水の貯水)

第7条 管理者は、かんがい用水等を確保するため、原則として毎年5月1日までに流水の貯留を常時満水位にするものとする。

(かんがい用水のための利用)

第8条 かんがい用水のための貯水の利用は、標高151.50mから標高135.39mまでの貯水位で容量最大10,126.000m3を利用して行うものとする。

第2節 取水

(かんがい用水のための取水)

第9条 管理者は、気象、水象及びかんがいの状況を考慮して受益地の必要な水量をダムから取水しなければならない。

2 管理者は、異常気象、渇水等により必要な水量を取水することが困難な場合には、町長に報告し、その指示を受けて適切な措置をとらなければならない。

(計画取水量)

第10条 かんがい用水のためのダムからの取水量は、別表第1に掲げる量の範囲内とする。

(取水及び流水の貯留の条件)

第11条 ダムにおける流水の貯留は、当該ダム貯水池への流入量が0.444m3/sを超える場合及び雨竜頭首工直下地点の尾白利加川の流量が0.595m3/sを超える場合並びに尾白利加頭首工下流地点の尾白利加川の流量が0.727m3/sを超える場合に限り、その超える部分の最も小さいものの範囲内において行うものとする。

第3節 放流

(放流の制限)

第12条 ダムに貯留された水は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り放流(取水のための放流を除く。)するものとする。

(1) 水位が満水位をこえるとき。

(2) 第21条第22条又は第24条の規定により洪水警戒体制時、洪水時又は洪水警戒時の前における措置を行う必要があるとき。

(3) 条例第3条の規定により点検整備を行う必要があるとき。

(4) その他やむを得ない理由があるとき。

(放流量)

第13条 ダムから放流を行う場合の放流量は、洪水(貯水池への流入量の最大が毎秒70立方メートル立方メートルを超える出水をいう。以下同じ。)時を除き、下流水位の急激な変動を生じないように放流しなければならない。

(放流の通知)

第14条 管理者は、ダムから放流することによって下流の水位に著しい変動を生ずると認めるときは、これによって生ずる危害を防止するため、別表第2に掲げる関係機関に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。

第3章 ゲート等の操作

(取水管ゲートの操作)

第15条 取水管ゲートは、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、操作することができる。

(1) かんがい期間において取水する必要があるとき。

(2) 貯留制限流量を放流する必要があるとき。

(3) ダムその他貯水池内の施設又は工作物の点検若しくは整備のため必要があるとき。

(4) その他やむを得ない必要があるとき。

(土砂吐ゲートの操作)

第16条 土砂吐ゲートは、貯留開始からかんがい期間終了までの期間以外の期間においては、全開の状態にしておくものとし、次の各号のいずれかに該当する場合に操作することができる。

(1) 貯留を開始及び終了するとき。

(2) 前条第3号及び第4号の規定により必要があるとき。

(緊急放流ゲートの操作)

第17条 緊急放流ゲートは、貯留開始からかんがい期間終了までの期間以外の期間においては、全開の状態にしておかなければならない。

2 緊急放流ゲートは、次の各号のいずれかに該当する場合に操作することができる。

(1) 貯留を開始及び終了するとき。

(2) 第15条第3号及び第4号の規定により必要があるとき。

第4章 点検及び整備に関する事項

(点検及び整備)

第18条 ダム及び貯水池並びにこれらの管理上必要な機械、器具及び資材は、定期に及び時宜によりその点検及び整備を行うことにより、常時良好な状態に維持しなければならない。特に洪水又は暴風雨、地震その他これに類する異常な現象でその影響がダム又は貯水池に及ぼすものが発生したときは、その発生後速やかに、ダム及び貯水池の点検(貯水池附近の土地の形状の変化の観測及びダムに係る地山からにじみ出る水の量を貯水位との関係の検討を含む。)を行いダム又は貯水池に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。

管理者は、バルブ、ゲートを操作するために必要な機械及び器具、警報、通信連絡及び観測のために必要な設備、管理のために必要な船、及び車両並びにこれらの操作のために必要な資材を常に良好な状態に保つための点検及び整備を行い、特にゲート及び予備電源設備については、適時試運転を行わなければならない。

(ダム及びその周辺の監視)

第19条 管理者は、ダム及びその周辺について常に監視を行い、その維持及び保全に支障を及ぼす行為の取り締まり並びに危険防止に努めなければならない。

第5章 緊急事態における措置に関する事項

第1節 洪水

(洪水警戒体制)

第20条 雨竜町又は新十津川町を対象とした大雨に関する警報が発せられ、又は洪水が発生するおそれがあると認められるときは、洪水警戒体制をとらなければならない。

(洪水警戒体制時における措置)

第21条 洪水警戒体制時においては、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。

(1) 洪水時において、ダムを適切に管理することができる要員の確保

(2) ダムを操作するために必要な機械及び器具の点検及び整備

(3) 気象官署が行う気象観測の結果の的確かつ迅速な収集

(4) 知事及び河川管理者に対する観測の結果及びダムの操作状況の報告

(5) ダムの水位、ゲートの開度、放流量及び流入量、時間雨量、累計雨量、危害防止のための措置に関する事項等ダムの操作に関する記録の作成

(6) 水害が予想される際には、別に定める事前放流等実施要領により、貯水位を低下させ、空き容量の確保に努めること。

(7) その他ダムの管理上必要な措置

(洪水時における措置)

第22条 洪水時においては、前条第3号から第6号までに掲げる措置を行うほか、尾白利加川において洪水による被害の発生が予想される場合及び発生した場合には、その時刻及び内容を関係機関に通報するとともに、15日以内に報告書を提出しなければならない。

(洪水警戒体制の解除)

第23条 管理者は、気象及び水象の状況により洪水警戒の必要がなくなったと認めたときは、堤体等の異状の有無を点検し、異状を認めたときはすみやかに必要な措置をとり、その後に洪水警戒体制を解除するものとする。

(洪水警戒時の前における措置)

第24条 水害が予想される際には、別に定める事前放流等実施要領により、貯水位を低下させ、空き容量の確保に努めること。

第2節 かんばつ

(かんばつ時における措置)

第25条 管理者は、ダムの貯水状況及び長期にわたる降雨量の予報等を勘案して、かんばつのおそれがあると認めたときは、堤体等の異常の有無を点検し、町長及び雨竜土地改良区理事長等の意見を聴いて取水に関する節水計画をたて、これにより取水を行わなければならない。

第6章 観測及び調査に関する事項

(気象及び水象の観測)

第26条 管理者は、気象及び水象について、次に掲げる事項を定期的に観測しなければならない。

(1) 気象関係

天候、気温、降雨量等

(2) 水象関係

貯水位、流入量、放流量、取水量、注水量、越流量等

(ダムの堆砂状況の調査)

第27条 管理者は、少なくとも毎年度1回ダムの堆砂状況を調査しなければならない。

(堤体の調査)

第28条 管理者は、堤体に設置された測定機器により、堤体の変形は少なくとも毎四半期1回、漏水量については少なくとも毎月2回調査又は観測を行わなければならない。

(管理日誌)

第29条 管理者は、ダム管理日誌を備え、次の各号に掲げる事項について記録しなければならない。

(1) 前3条の規定による調査又は観測の結果

(2) ダムの状況及び点検整備に関する事項

(3) 緊急時における措置に関する事項

(4) ゲートの操作を行ったときは、操作の理由、操作の時刻、開度及び取水量又は放流量

(5) その他ダムの管理に関する事項

2 管理者は、毎月10日までに前月分の管理日誌を取りまとめ、町長にその内容を報告しなければならない。

この規則は、令和6年11月25日から施行する。

別表第1(第10条関係)

期間

区分

5月1日から5月10日まで

m3/s

5月11日から5月25日まで

m3/s

5月26日から6月30日まで

m3/s

7月1日から7月10日まで

m3/s

7月11日から8月31日まで

m3/s

かんがい期総取水量

千m3

尾白利加ダム

1.714

3.387

4.956

6.357

4.952

41,700

内訳

本取水用

1.609

3.179

1.871

2.722

1.871

注水用

0.105

0.208

3.085

3.635

3.081

内訳

尾白利加川注水口(1)

3.085

3.635

3.081

面白内川注水口

0.105

0.208

雨竜頭首工取水口

2.807

5.577

2.934

4.406

2.930

32,060

内訳

本取水用

2.764

5.494

2.934

4.406

2.930

注水用

0.043

0.083

内訳

フシコ雨竜沼川注水口

0.043

0.083

別表第2(第14条関係)

関係機関

北海道知事

雨竜町長

新十津川町長

深川警察署長

滝川警察署長

北海道開発局長

空知総合振興局 札幌建設管理部滝川出張所

雨竜町役場 総務課

新十津川町役場 総務課

雨竜駐在所

新十津川町駐在所

河川整備保全課

滝川河川事務所

尾白利加ダム管理規則

令和6年11月25日 規則第17号

(令和6年11月25日施行)

体系情報
第10編 設/第1章 土木・河川
沿革情報
令和6年11月25日 規則第17号